碓氷峠テクテク旅(後編)
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快速碓氷
今日は文化の日。快速碓氷は、この秋1日だけ、上野-横川を走りました。もともとは、碓氷鉄道文化むらへのアプローチ列車として設定されたようです。この日に合わせて、テクテク旅を挙行し、帰りに乗車しました。6両編成で、指定席3両、自由席3両。@横川

 
快速碓氷@横川
1号車はクハ183-1527
昔の懐かしさを感じる横顔です
指定席の乗車率は約50%でした

 
【後編】峠の湯〜めがね橋
碓氷峠テクテク旅の後編は、トロッコ列車の終点、峠の湯駅から出発します。ここから5つのトンネルを抜け、碓氷湖で道草をして、めがね橋を目指します。
線路は撤去されたか、埋められたか分かりませんが、線路跡はきれいに舗装されています。架線もありません。

正面に碓氷第1号トンネルの入口(横川側)が見えてきました。また、左側に石碑があります。

石碑は北原白秋の歌碑でした。大正12年、白秋39歳のとき、この地を訪れ、「碓氷の春」を詠んだと言われています。
うすいねの
  南おもてと
    なりにけり
くだりつゝ思ふ
   春のふかきを
碓氷第1号トンネルに入りました。この日の外気温は15度くらいですが、トンネル内は、少しひんやりしています。また、トンネル内は照明されていますので、安心して歩くことができます。
1号トンネルの出口(軽井沢側)に来ました。中山道の道標があります。現在、中山道とは、国道18号線を指しますが、旧中山道はこのトンネルの上を通っています。

 
1号トンネルを抜けると、しばらくは、のんびりした山間道が続きます。遊歩道に並行して国道18号線が走っており、ところどころで、国道から遊歩道に入ることができます。そのせいか、いつの間にか、歩いている人が多くなりました。
碓氷第2橋梁にさしかかりました。橋の欄干は、周囲の環境に気配りした配色になっています。
第2橋梁は、レンガ造りのアーチ橋でした。さしずめ、ミニめがね橋のようです。
碓氷第2号トンネルまで来ました。遊歩道は線路を避けて、待避線のように曲がっています。線路跡が見えていますが、トンネルとの位置関係から第3軌条のようです。
2号トンネルを抜けると、眼下に碓氷湖が見えてきました。碓氷湖は、坂本ダムによりできた人工湖で、1周1.2kmの小さな湖です。

 
湖岸に下りてみました。この日は祝日、湖岸では、家族連れが、お弁当を広げたり、犬と戯れるなど、休日を楽しんでいました。
再び遊歩道に戻りました。2号トンネルを出たあたりから、勾配が急になりました。足どりが重くなり、急勾配であることを感じます。
国道18号線とクロスします。道路は蛇行しながら坂を上りますが、鉄道は一直線に坂を上ります。このことからも、碓氷峠が、いかに急勾配であったかを知ることができます。
碓氷第3号トンネルの入口まで来ました。ここから、3号・4号・5号の3つのトンネルを見通すことができます。ただし、一番奥の5号トンネルは、少し左にずれています。
向こうに見えるのは、碓氷4号トンネルです。3号トンネルと4号トンネルの距離は短く、トンネルを出ると、すぐ次のトンネルです。ここからめがね橋まで、残り500mです。

 
碓氷第5号トンネルまで来ました。これが最後のトンネルで、ここを抜けると、めがね橋です。
5号トンネルは、これまで通過した5つのトンネルの中で最も長く(243m)、そのせいか、トンネル内は、ちょっと寒いくらいでした。また、このトンネルだけが、ナトリウム灯によるオレンジ色の照明です。
5号トンネルの出口まで来ました。トンネルを出ると、すぐめがね橋です。このトンネルの出口に、大物女優が立って、「大人になったらしたいこと」という鉄道会社のCMは、記憶に新しいところです。
めがね橋の中央に来ました。向こうに碓氷第6号トンネルが見えます。遊歩道は、このトンネルの手前で行き止まりです。この先、旧「熊ノ平」駅までには、5つのトンネルがあり、66.7パーミルの最大勾配はこの先にあります。
めがね橋から上流側(北側)を見ると、新線の鉄橋が見えます。旧線と新線は、ほぼ並行して走っており、両者はそんなに離れていません。山間部を通過するため、互いに見通すことはできませんが、ここだけ、新線を見通すことができます。

 
めがね橋を渡りきりました。振り返ると、レンガ造りのアーチ橋が見えます。また、眼下には、国道18号線が走っています。
橋を渡りきったところに、階段があります。ここから国道方面に下りることができます。めがね橋は、下から見上げる方が迫力がありますので、階段を下りることにします。
階段を下りたところから見ためがね橋です。高さ31m、長さ91mのレンガ造りのアーチ橋は、わが国最大です。国の重要文化財に指定されています。
真下から見上げると巨大です。この橋が、1893(明治26)年に造られたとは、先人達の土木技術の高さに、目を見張るばかりです。
碓氷峠廃線跡の群馬県側は、安中市に譲渡され、国の重要文化財の指定を受けて、整備が進められています。いずれ、この遊歩道が軽井沢まで接ながることを切望じて、テクテク旅のレポートを終了します。

 
作者後記
本レポは、横川から歩いたことになってますが、実際は、めがね橋から歩きました。横川から軽井沢行きの路線バス(写真)に乗車、めがね橋バス停で下車、ここから横川まで歩きました。そして、写真を振り返って撮り、逆順に並べることで、横川から歩いたように演出しました。

碓氷峠テクテク旅(続編)に続く


 
寝台列車の館★ホームページ
撮影: 2011年11月3日