飯田線秘境駅号を追え!
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373系【急行】飯田線秘境駅号
飯田線に秘境駅が6ヶ所あります。1回の乗車で全ての秘境駅を回れるのが飯田線秘境駅号です。2012年秋に運転開始、春と秋に数本走ります。運転本数が少ないのと、多くの座席がJR東海ツアーズの旅行商品になっているせいか、一般旅客として指定席をとることができませんでした。そこで、下り秘境駅号を、後発の特急列車(伊那路1号)と普通列車(519M)で追いかけ、田本駅で待ちかまえることにしました。本ページは、その追っかけレポートです。なお、時刻は、乗車当時(2014年11月)の時刻表によります。3両編成、全車指定席。@豊橋

 
下り秘境駅号:豊橋9:50発
4分遅れで、飯田行き秘境駅号が発車してゆきました。車外から見たところ、車内は満席のようでした。
伊那路1号:豊橋10:08発
後発の特急伊那路1号に乗車、秘境駅号を追いかけます。伊那路号は3両編成で、通常は指定席1両ですが、この日だけは指定席2両、満席でした。ほとんどが、帰路、秘境駅号に乗車するツアー客でした。私は、一般客です。
豊橋駅を出ると平井信号所までの約4kmの区間、飯田線と名鉄線は線路を共有します。信号所で、飯田線は右方向に進みます。左方向は名鉄名古屋本線です。
伊那路1号:新城10:33発
新城駅で、秘境駅号(10:40発)を追い抜きました。
伊那路1号:中部天竜11:22発
中部天竜駅で、豊橋行き伊那路2号とすれ違い。伊那路号と秘境駅号は、同じ型式の車両で、どちらも3両編成、見分けが付きません。

 
第6水窪川橋梁、城西‐向市場間に奇妙な鉄橋があります。約400mの鉄橋ですが、川を渡らず、同じ側の岸に戻ってきます。通称「渡らずの鉄橋」と呼ばれ、飯田線の珍景になっています。
小和田(こわだ)駅を通過。小和田駅は、飯田線の秘境駅中で、最もランキングが高い駅です。ここは、愛知・静岡・長野の3県に跨る県境に位置します。秘境駅号の停車駅です。
中井侍(なかいさむらい)駅を通過。ここも、秘境駅号の停車駅です。
伊那路1号が、平岡駅に到着しました。私は、ここで下車、約1時間後に到着する秘境駅号を待ちます。
伊那路1号:平岡11:57着
1時間後、平岡駅に、秘境駅号がやってきました。新城駅で追い越した秘境駅号です。

 
下り秘境駅号:平岡13:04着13:50発
1番線に到着。秘境駅号は、ここに46分間停車します。乗客は、全員、降ろされました。なぜでしょう。このあと、秘境駅号は奇妙な動きをします。
平岡駅ホームの豊橋寄りから撮った写真です。左が秘境駅号(1番線)、右側のホーム(2番線)に上り豊橋行き普通列車(13:24発)が入ってきました。
上り普通列車が発車すると、秘境駅号が動き出しました。客を降ろした状態で、飯田方向に進み、ポイントを過ぎたところで停車、そして・・・
そして、反対側の2番線に戻ってきました。この時点で、一旦降ろされた乗客は、再び、秘境駅号に乗車することができます。
下り岡谷行きの下り普通列車が入ってきました。この列車は豊橋10:42発で、秘境駅号より約1時間後に発車した普通列車(519M)です。秘境駅号は、この普通列車にも追い抜かれます。

 
左が下り普通列車。結局、秘境駅号は、上下の普通列車にホームを譲るため、1番線から2番線に移動したのでした。私は、この普通列車に乗車、田本駅に先回りします。
下り普通:平岡13:38発
為栗(してぐり)駅を発車。ここも、秘境駅号の停車駅です。向こうに見える吊り橋は「天竜橋」で、秘境駅号ツアーの見学コースです。
下り普通:為栗13:44発
田本駅のホームにさしかかりました。目的地に到着です。ここは、飯田線の秘境駅中、小和田駅に次ぐ秘境駅といわれています。崖っぷちに造られた狭いホームが特徴です。
田本駅で下車、秘境駅号を待ちます。ここでは、上下の秘境駅号を見ることができます。
下り普通:田本13:52着
最初に、上り豊橋行き秘境駅号が到着しました。15分間停車します。私は、豊橋寄りのトンネルの上で待ちかまえていました。ここは、絶景な撮影ポイントです。
上り秘境駅号:田本14:03着14:18発

 
ものすごい人数が、トンネルの上に押し寄せてきました。どうやら、係りの人が乗客を3組に分けて、トンネルの上の案内してるようです。私も乗客と間違われました・・・ちがうよ!
下り秘境駅号:田本14:24着14:39発
上りと入れ替わるように、下り飯田行き秘境駅号入ってきました。新城駅と平岡駅で追い越した秘境駅号です。上りと同じく15分間停車します。今度はホームで待ちかまえることにしました。
おそらく、田本駅の1年間の乗降客数より多い人数が、この駅に降り立ったことでしょう。嵐が去った後、下り秘境駅号は静かに出発していきました。駅には、私ひとりが残されました。帰りの普通列車まで約1時間、田本駅周辺を散策します(後述)
上り普通:田本15:31発
1時間後、田本駅に豊橋行き普通列車が入ってきました。この列車で、一気に豊橋に戻ります。写真にも写っていますが、田本駅には、風雨を避けられる程度の待合所があります。
上り普通:豊橋18:24着
約3時間かかりました。普通列車は、定刻どおり、豊橋駅に到着しました。これで、秘境駅号の追っかけレポを終わります。

 
田本駅
田本(たもと)駅は、左右をトンネルに囲まれ、背後は絶壁、線路下は天竜川という秘境駅です。駅へのアプローチ道は、豊橋寄りのトンネルを上がるしかありません。トンネルの上で、道が二手に別れ、山側の道が泰阜村〜温田駅へ、川側の道が竜田橋〜阿南町へのトレッキング道です。車でアプローチすることはできません。竜田橋まで行ってみることにしました。

 
測道からトンネルに上がります
トンネルの上で道が分かれます
駅と橋の中間点まできました
竜田橋の手前に短い吊り橋
竜田橋を渡り、向こう岸です
竜田橋から天竜川上流を望む

 
寝台列車の館★ホームページ
撮影: 2014年11月