特急券・急行券

 
目次
  1. 特急券・急行券
  2. 複数の特急を1枚の特急券として扱う区間
  3. 乗継割引
  4. 乗継割引いろいろ

 
1.特急券・急行券

表1に特急券の分類を示します。これらは、エリヤや区間によって使い分けられます。
 

表1 特急券の分類
分類 説明
A特急券 通常の特急券で、下記にあたらないもの。JR北海道の150キロまでの料金(僅かに安い)を除いて、全JRで同額。
B特急券 JR各社が独自にエリアと料金を定めた特急券で、A特急券より割安。このエリア内で乗降するときに適用される。
特定
特急券
特定の区間(主に短距離)に適用され、さらに割安な自由席または立席の特急券。例えば、新幹線の隣の駅までの自由席の特急券がこれにあたる。

寝台に乗車する場合の特急券は、通常期の指定席特急料金から510引き(JR九州は500円引き)です。これは、自由席特急券と同額ですが、特定特急料金は適用されません。一方、立席特急券は、自由席特急券と同額で、特定区間では特定特急料金も適用されます。

表2に特急・急行料金を示します。寝台列車の特急料金は、通過するJR会社の料金規定に従いますが、短距離でない限り、A特急料金が適用されます。また、表中の「3セク経由」欄に、北斗星・カシオペアで、第3セクター(盛岡-青森)を通過する場合の、JR営業キロに対する特急料金を示します。
 

表2 特急・急行料金(寝台利用)
営業キロ 特急券 3セク経由 急行券
50キロまで 750 1,470 550
100キロまで 1,180 1,890 750
150キロまで 1,830 2,520 980
200キロまで 2,160 1,970 1,080
300キロまで 2,380 2,200 1,300
400キロまで 2,590 2,410
600キロまで 2,910 2,730
600キロ超 3,240 3,060

表2において、3セク(盛岡-青森)経由の特急券には、次の区間の特急料金(1,260円)を含みます。

  • IGRいわて銀河鉄道(盛岡-目時):500円
  • 青い森鉄道(目時-青森):760円
3セクを通過し、かつ、JR区間が150キロを越える特急券は割引になります(水色の部分)

●繁忙期と閑散期

指定席特急料金が、繁忙期では通常期の200円増し、閑散期では200円引きになります。このルールは、特急列車の普通車指定席のみに適用され、寝台やグリーンを利用する特急券や、急行・快速・普通列車の座席指定券、および、自由席特急券や立席特急券には適用されません。

繁忙期と閑散期の日程について、本州3社とJR四国は同じ、JR北海道とJR九州は本州3社と異なります。なお、JR九州には繁忙期は設定されていません。日程の異なるJRをまたぐ特急券は、本州3社のルールに従います。

●有効期間

指定席・寝台・グリーン・立席など列車を指定する特急券は、指定した列車に限り有効です。乗り遅れると無効ですが、無効になっても、当日に限り、後続列車の自由席に乗車できます。ただし、指定席への変更や乗り越しなどの変更はできません。

2014年4月1日より、自由席特急券・急行券の有効期間は当日限り(1日間)になりました。当日限りとは、定刻の発車時刻を基準にしますので、列車の遅延により乗車が翌日になったり、午前0時をまたぐ列車に乗車し、下車が翌日になるのはかまいません。

●こども料金

こどもの特急券、急行券、座席指定券は、おとなの半額です。寝台券、グリーン券は、おとな・こども同額です。


 
2.複数の特急を1枚の特急券として扱う区間

●複数の新幹線

新幹線の改札を出場しなければ、複数の列車に乗り継いでも、1枚の特急券として扱います。ただし、東京駅で乗り継ぐ場合と、大宮駅または高崎駅で上りから下りに乗り継ぐ場合を除きます。

●新幹線と在来線

秋田新幹線と山形新幹線の在来線区間には、A特急料金が適用されます。下記に示す新幹線区間と在来線区間の停車駅相互間を、カッコで示す乗換駅で、改札を出ないで、その日のうちに乗り継ぐ場合、または、直通する場合は、1枚の特急券として扱います。特急料金は、新幹線区間(無割引)と在来線区間(3割引)の合計です。

  • 東京−(盛岡)−秋田 
  • 東京−(福島)−新庄
●複数の在来線

次の区間の停車駅相互間を、カッコで示す乗換駅で、改札を出ないで乗り継ぐ場合は、1枚の特急券として扱います。特急券は通算距離に対する特急料金になり、条件を満たせば、乗継割引が適用されます。

  • 岡山または高松−(宇度津・丸亀・多度津・松山)−宇和島 
  • 岡山または高松−(宇度津・丸亀・多度津・高知)−窪川 
  • 岡山−(徳島)−牟岐
  • 徳島−(阿波池田)−高知
  • 福島−(山形)−新庄
  • 上野−(水戸・勝田)−仙台
  • 京都または新大阪−(福知山)−鳥取
  • 博多−(別府・大分)−宮崎空港、ただし、鹿児島線・日豊線経由

 
3.乗継割引
割引の条件となる列車 割引になる列車 乗継駅
東海道・山陽新幹線 在来線の特急・急行 東京、品川、小倉、博多を除く全駅、および、大阪(新大阪)、坂出・高松(岡山)

()は新幹線の乗継駅

東北・上越・信越・北陸新幹線 在来線の特急・急行

【適用除外】
×青森・新青森を乗継駅とする寝台特急(○急行)
 

新青森、青森(新青森)、新潟、長岡、長野、上越妙高、金沢

()は新幹線の乗継駅

奥羽本線(津軽新城以遠)を経由する特急(×急行) 津軽海峡線(津軽今別以遠)を経由する特急・急行 新青森、青森
津軽海峡線を経由し、新幹線との乗継割引が適用された特急・急行 函館本線(桔梗以遠)を経由する特急・急行 五稜郭、函館
サンライズ瀬戸

【適用除外】
×サンライズツイン

四国の特急・急行 坂出、高松
乗継割引は、次に述べる@〜Bの条件を全てを満たすとき、特急券・急行券、および、急行の座席指定券が半額(10円未満切り捨て)になります。こども用は、こども料金の半額になります。

ただし、第3セクターを経由するものにあっては、JR区間のみに乗継割引が適用されます。

2人用寝台個室、グリーン個室を利用する特急券・急行券には、乗継割引は適用されません。また、普通・快速列車の座席指定券にも、乗継割引は適用されません。

@列車と乗継駅条件

上の表に示す、「割引の条件になる列車」と、「割引になる列車」を、指定された「乗継駅」で乗り継ぐとき

A乗換日条件

  • 新幹線から在来線へは、その日のうちに乗り継ぐこと
  • そのほかは、その日、または、翌日に乗り継ぐこと
「その日」とか「翌日」とは、両特急券の利用開始日を基準にします。先乗列車の下車日が基準ではありません。

【新幹線から翌日の乗継でもよい列車】

  • 新幹線を岡山で下車し、ミッドナイトEXP高松(高松発伊予西条行き)を坂出(0:02発)で乗り継ぐ場合
B切符の購入条件
  • 乗車券も同時購入、または、乗車券を提示して、
  • 両特急券を同時に購入すること
乗車券は後日購入でも、両特急券を発券してくれますが、乗車時には、両特急券の区間に有効な乗車券を所持しなければなりません。

 
4.乗継割引いろいろ

●乗継割引は、同じ経路を戻ってもよい

乗継割引は、割引の条件を満たしていれば、方向は問いません。例えば、東京方面からの東海道新幹線とトワイライトを、新大阪または大阪で乗り継ぐ場合や、東京から高松を、新幹線とサンライズ瀬戸で往復する場合でも、トワイライトやサンライズ瀬戸の特急券に乗継割引が適用されます。

●補助寝台利用1人用寝台個室と2人用寝台個室

乗継割引は、補助寝台を利用した1人用寝台個室に2名で乗車する場合にも適用されます。しかし、2人用寝台個室では、1名で乗車しても、2名で乗車しても、乗継割引は適用されません。

●2回の乗り継ぎ

「在来線-新幹線-在来線」の場合は、どちらか片方の在来線特急券に乗継割引が適用されます。特に指定しない場合は、料金の高い方に乗継割引が適用されます。

東北新幹線から新青森(または青森)と函館(または五稜郭)で2本の特急を乗り継ぎ、札幌方面に行く場合、2本の特急の両方に乗継割引が適用されます。逆経路でも同様です。

●山形、秋田新幹線の在来線区間

山形、秋田新幹線の在来線区間(福島-新庄、盛岡-秋田)には、A特急料金が適用されます。接続駅(福島、盛岡)で、東北新幹線(新青森方面からも可)と、その日のうちに乗り継ぐ場合、または、同じ列車で接続駅を直通する場合は、在来線区間の特急料金が割引になります(3割引)。これは、割引率が異なりますが、乗継割引と考えることができます。

●乗継割引特急券のキャンセルと変更

乗継割引の条件となる特急券と、乗継割引が適用される特急券は、2枚1組として扱うため、キャンセルや変更は、2枚同時に行わなければなりません。


 
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